国民年金基金ってどんな制度?メリット・デメリットを理解してiDeCoとうまく併用しよう!

老後に備えるための方法には様々なものがあり、自営業者などの国民年金第1号被保険者が加入できる「国民年金基金」もその一つです。個人が任意で加入する制度としてはiDeCoが注目されがちですが、iDeCoとは違った特徴やメリットが国民年金基金にはあります。

国民年金基金とは一体どんな制度なのか?今回は国民年金基金の仕組みやメリット・デメリットについて紹介します。

1口目は終身、2口目以降は終身・確定どちらでも選べて予定利率は1.5%

国民年金基金には以下の7つのタイプの年金があり自分で給付種類を選択して掛金を拠出する仕組みです。1口目は終身年金のA型・B型いずれかを選択しなければならず、2口目以降も掛金を拠出する場合には終身年金・確定年金いずれでも選択できます。

  支給開始年齢 支給期間 保証期間
終身年金 A型 65歳 一生涯 15年間
B型 65歳 一生涯 なし
確定年金 I型 65歳 15年間 15年間
Ⅱ型 65歳 10年間 10年間
Ⅲ型 60歳 15年間 15年間
Ⅳ型 60歳 10年間 10年間
Ⅴ型 60歳 5年間 5年間

※保証期間:年金を受ける前または保証期間中に加入者が亡くなった場合、遺族に一時金が支給される

~終身年金~
1口目で加入する終身年金の保険料は性別や加入年齢によって変わります。例えば男性が終身年金A型に加入する場合の保険料・年金額をいくつかの加入年齢について示すと以下の通りです。なおA型には保証期間があるためB型より若干保険料が高くなります。

  加入年齢 20歳0月 30歳0月 40歳0月 50歳0月
終身A型・男性の保険料 7,110 10,300 12,555 18,150
60歳までの払込総額
(①×60歳までの月数)
3,412,800 3,708,000 3,013,200 2,178,000
年金月額 20,000 20,000 15,000 10,000

65歳から年金の受給を開始して元が取れるまでの年数(②÷③÷12ヵ月)

14.22 15.45 16.74 18.15

もしも30歳0月の男性が加入すると毎月10,300円の掛金を60歳まで30年間・総額370.8万円を支払うことになります。65歳から毎月2万円・年間24万円の年金を受給するので15.45年、つまり80歳半ばまで生きれば元が取れる計算です。
国民年金基金はiDeCoと同様に途中で資金を引き出せない点がデメリットですが、多くのiDeCoが有期年金なのに対して国民年金基金には終身型の年金がある点がメリットです。
長生きするほど年金受取総額が増えてお得になり、生きている間は年金が支給され続けるので有期年金のように途中で年金支給が終わることはありません。

~確定年金~
確定年金にはⅠ型~Ⅴ型の5種類があり予定利率は1.5%です。ただし国民年金基金に加入する年齢によって実際の利率には差があり、若いうちに加入したほうが利率が良くてお得になります。

例えば65歳から15年間年金を受け取れる確定年金Ⅰ型に男性が加入する場合、保険料・年金額をいくつかの加入年齢について示すと以下の通りです。

  加入年齢 20歳0月 30歳0月 40歳0月 50歳0月
保険料(月額) 2,515 3,635 2,950 6,375
60歳までの払込総額
(①×60歳までの月数)
3,412,800 3,708,000 3,013,200 765,000
年金月額 10,000 10,000 15,000 5,000

年金支給総額
(③×12ヵ月×15年)

1,800,000 1,800,000 900,000 900,000

利率(④÷②)

1.49 1.38 1.27 1.18

加入年齢が遅くなるほど利率は悪くなりますが、それでも払った掛金額以上の年金を確実に受け取れる点は国民年金基金のメリットと言えます。iDeCoのように運用益が出て年金額が大きく増える可能性はないものの、逆に損失が出て年金額が減る心配もありません。

iDeCoの元本確保型商品に充てる掛金を国民年金基金に切り替えるのも選択肢

自営業者などの国民年金第1号被保険者の場合、国民年金基金とiDeCoの掛金を合計で最大6.8万円まで一ヶ月に拠出できます。どちらの年金制度も掛金が所得控除の対象になって節税になる点は同じで、大きな違いは自分で運用商品を選んで運用を行うかどうかです。
自分で運用をしたい人にはiDeCoがおすすめで、自分で運用をするのは苦手で確実に老後資金を積み立てたい人には国民年金基金が向いています。しかし実際には運用が苦手な人でもiDeCoに加入して元本確保型商品に掛金を拠出するケースも少なくありません。
ただ定期預金などの元本確保型商品は資金がほぼ増えない点がデメリットです。もしも元本確保型以外の商品に切り替える予定がなければ、その分のiDeCoの掛金は減額し、予定利率1.5%で資金が増える国民年金基金に掛金拠出先を切り替えるのも一つの選択肢です。
もちろん国民年金基金に対しては否定的な意見も聞かれますし、実際に加入するかどうかはメリット・デメリットを踏まえて慎重に考える必要があります。以前よりも利率が下がったことで魅力が低下し、国民年金基金の新規加入員数が減少傾向にあることは確かです。

ただ国民年金基金には利率以外の面で様々なメリットがあるので、老後への備えとして活用を検討するだけの価値が十分にあります。
保険料や年金額のシミュレーションは国民年金基金の公式HPで簡単にできるので、今の年齢で自分が加入すると保険料や年金額がどうなるのか、確認してみると良いでしょう。
国民年金基金:年金額シミュレーション

※ この記事は2020年9月1日時点の制度をもとに執筆しています。予定利率や保険料額・年金額については最新の情報を確認するようにして下さい。

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