iDeCoの加入年齢と受け取り開始年齢が2022年春から改善!どれだけ年金額を増やせるか解説

老後の生活資金を自分でつくる年金として、iDeCo(個人型確定拠出年金)は注目されています。毎年加入者数が増加し続けていることは、その証です。

2022年春から、iDeCoに加入できる上限の年齢が繰り下げられ、受け取り開始年齢も75歳まで繰り下げ可能となります。これにより年金を大きく増やし、より豊かな老後に役立てます。

本記事では制度改正の概要に加えて、繰り下げによりどれだけ年金額を増やせるかシミュレーションします。

2022年春からの改正内容とは?

iDeCoは2022年春以降、以下のとおり改善されることになりました。

項目 変更前 変更後 変更時期
受給開始時期 60歳~70歳の間で選択 60歳~75歳の間で選択 2022年4月
加入可能年齢 60歳未満 65歳未満 2022年5月

つまり加入可能年齢と受給開始時期を、今よりも5年間遅くできるというわけです。これにより、以下のメリットが得られます。

・掛金の払い込み金額を増やせるため、年金額も多くなる
・受給開始時期の繰り下げにより、年金額を増額できる

「年金額が少なくて不安なので、できるだけ増やしたい」方には、朗報といえるでしょう。

加入年齢の繰り下げにより、年金額を大きく増やせる

64歳までiDeCoに加入でき保険料を支払い続けられると、iDeCoの年金額はどれだけ増やせるのでしょうか。ここでは以下の条件を仮定して、考えてみます。

・自営業者(第1号被保険者)
・国民年金基金には加入していない
・現在、国民年金保険料の免除(一部免除も含む)や、公的年金の繰り上げ受給を受けていない
・運用管理費用や税は考慮しない

月額の掛金を50,000円、運用利回りを年1.5%と仮定した場合、加入年齢を5年間繰り下げた効果を確認しましょう。ここでは65歳になった時点の残高を、加入年齢が40歳と50歳の場合についてまとめました。

加入年齢 59歳払い込み満了 64歳払い込み満了 増加額(増加率)
40歳 15,048,934円 18,161,490円 3,112,556円(20%)
50歳 6,965,355円 10,077,911円 3,112,556円(44%)

掛金の払い込み年数を5年延長することで、年金の運用残高を300万円ほど増やせます。増加率は40歳加入の方が20%であるのに対し、50歳加入の方は44%にのぼります。このように加入年齢の繰り下げは、iDeCoに遅く加入した方に対してより効果を発揮します。

余裕がある方は受け取り開始時期の繰り下げも検討を。ただし運用利回りの変化には注意

もし老後資金に余裕があって運用利回りもよい場合は、受け取り開始時期を繰り下げてさらに年金額を増やすこともよい方法の1つです。さきほど取り上げた、50歳で加入した方について、受け取り開始時期を繰り下げるとどれだけ増やせるか見てみましょう。

払込満了 65歳受け取り開始 70歳受け取り開始 75歳受け取り開始
59歳 6,965,355円 7,503,665円 8,083,578円
64歳 10,077,911円 10,856,772円 11,695,826円

運用利回りが1.5%の場合、受け取り開始年齢を70歳に繰り下げると7.7%、75歳に繰り下げると16%増加します。

もっとも運用利回りは常に一定でないため、定期的な運用状況のチェックが必要です。もし利回りが悪くなりそうな場合は他の運用商品に変更するか、受け取りを開始してしまうといった柔軟な対応が求められます。

両方を併用することで、年金額を大きく増やせる

加入年齢の繰り下げと受け取り開始年齢の繰り下げは、併用可能です。両方を併用することで、年金額を大きく増やせます。

さきに紹介した「50歳で加入した方」について、以下の2つのケースを比較してみましょう。

・59歳払い込み満了、65歳受け取り開始
・64歳払い込み満了、70歳受け取り開始

払い込み満了 受け取り開始 年金の残高
59歳 65歳 6,965,355円
64歳 70歳 10,856,772円

5年間現役で頑張り続けるだけで、年金額が1.5倍以上になります。このため働けるうちはできるだけ働き、掛金を支払い続けることが老後を安心して過ごせる鍵となります。

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