税金をごまかしたペナルティは思いのほか大きい。確定申告は正しく行おう

2020年はコロナ禍のなか、以下のような収益を得た方もおられるのではないでしょうか。

・不動産売却による収益
・株式や投資信託の売却益
・暗号資産(仮想通貨)による売却益
・せどりによる収入

「今年だけ収入が増えただけだし、不透明な時代だから税金ごまかしちゃえ」と思う方もいるかもしれませんが、税務署は思いのほか目を光らせているもの。もし無申告や申告漏れが判明した場合、代償は「国税を余分に納付すること」にとどまりません。

ここでは税金をごまかしたペナルティの重さを解説し、正しく申告する重要性を解説します。

所得が上がると所得税の税率も上がり、納税額も急速にアップする

日本では以下の表で示す通り、所得が上がると所得税の税率もアップする仕組みになっています。

課税所得金額 税率 算出した税額からの控除額
195万円未満 5% なし
195万円以上330万円未満 10% 97,500円
330万円以上695万円未満 20% 427,500円
695万円以上900万円未満 23% 636,000円
900万円以上1,800万円未満 33% 1,536,00円
1,800万円以上4,000万円未満 40% 2,796,000円
4,000万円以上 45% 4,796,000円

給与収入の方は、以下の表で示すとおりとなります。なお基礎控除などの各種控除は考慮していません。

給与だけの場合の収入額 課税所得金額 税率 所得税額
55万円 なし - なし
115万円 60万円 5% 30,000円
500万円 356万円 20% 284,500円
1,150万円 955万円 33% 1,615,500円

給与収入が115万円と1,150万円の方を比較すると、以下のことがわかります。

・収入が10倍になると課税所得金額は15倍以上になる
・所得税額は50倍以上になる

所得が増えると税の負担もより重くなることが、所得税の特徴です。

申告していない所得があると加算税が課される。悪質な場合は4割増しの可能性も

あなたが国税を正しく納めない場合は、税務署などによる所得金額の決定や修正申告を求められます。その際は本来の税額に加えて、「加算税」というペナルティも課されます。

加算税には以下の3種類があります。最も悪質な場合に課せられる「重加算税」が適用されると、本来支払うべき税額が4割も増えてしまうことに注意しなければなりません。

名称 適用される条件 税額に加算される税率
過少申告加算税 期限内に申告した所得について、当初の申告額よりも納税額が増えた場合 10%が原則
納税額が2倍以上になった場合は、15%の税率が適用される場合がある
無申告加算税 期限内に申告しなかった場合 20%
但し50万円までの部分は15%
重加算税 所得の仮装や隠ぺいがあった場合 期限内に申告した方:35%
無申告の方:40%
過去5年以内に無申告加算税や重加算税が課された方は、10%を加算

国税庁によると、2019年7月から2020年6月における税の調査件数は431,000件、追徴税額は1,132億円となっています。思ったより多いと感じた方もいるでしょう。特に自宅などにやってくる実地調査では1件当たり945万円の所得漏れが見つかり、平均で166万円の追徴課税が行われています。

もっとも税務署から調査の通知が来る前に自主的に修正申告をして納付した場合は、その時期により加算税を払わなくてよい場合や、5%で済む場合もあります。早く気づいて早く納税すれば、余計な税金を払わずに済むわけです。

税額が増えると、住民税も追加徴収される

修正申告や所得金額の決定により所得税の税額が増えると、変更後の課税所得金額もお住まいの自治体に通知されます。これにより、所得が増えた分の住民税も追加徴収されます。

住民税の税率は、一律で10%です。たとえば100万円所得が増えたら10万円、1,000万円増加すると100万円の請求が来ることになります。申告が正しくなかった方は、この点も留意しておかなければなりません。

延滞税も加算される

修正申告や所得金額の決定を受けた場合は、増えた所得税額に対して延滞税も加算されます。

延滞税の税率は2段階になっており、延滞期間が長くなると高くなります。以下の表では基本の税率を示すとともに、かっこ内には納期限後2ヶ月以内(地方税は1ヶ月以内)の税率を示しました。

延滞した期間 税率
2018年~2020年 年8.9%(年2.6%)
2021年 年8.8%(年2.5%)


もし納期限の1年後に100万円の追加納税が求められた場合は、77,500円の延滞税(2021年の場合)がかかります。この点も留意しておきましょう。

税金をごまかしたペナルティは多額になる

ここからは、以下の方を例にとって考えてみましょう。

・2020年の給与収入は480万円(月収30万円、賞与あり。給与所得控除後の金額は340万円)
・給与収入以外に、別途840万円の所得がある
・基礎控除(所得税48万円、住民税43万円)以外の控除はないものと考える
・住民税は特別徴収(毎月6月から翌年の5月まで)

まず期限内に確定申告した場合の納税額は、以下の通りとなります。
・所得税(復興特別所得税を含む):2,245,792円
・住民税:1,142,000円

もし年末調整だけで済ませ840万円の所得を申告せず、以下の状況になったケースを考えてみましょう。

・9月の税務調査で所得金額の決定を受けた
・所得税に対し重加算税が適用された
・12月の給与から住民税額が変更され、840万円の所得に関する税額が毎月天引きされる

項目 当初の税額 加算された税額 合計額
所得税(復興特別所得税を含む) 198,585円 2,962,103円 3,160,688円
住民税 302,000円 1,013,250円 1,315,250円

当初納めた税額と合わせると450万円前後の税額になり、とりわけ追加で徴収される税額は400万円近くにのぼります。特に稼いだお金を使ってしまった方は納税額をどう工面するか、途方に暮れてしまうことでしょう。

そもそも稼いだ時点で納税のことを考え、正しく納税していれば、納税額は339万円程度で済んでいたわけです。正しく納税しなかった結果、3ヶ月分の給料を超える100万円以上のお金をまるまる無駄にしてしまいました。

国税当局はさまざまな手段で、不適切な納税をチェックしています。このようなことにならないよう、正しく申告し納税することが重要です。

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