改善しない空き家問題。今後の進展は?

総務省が発表した平成30年の住宅・土地統計調査によると、全国の空き家数は876万戸となりました。問題となっている空き家とは、二次的住宅(別荘など)や賃貸住宅、売りに出された住宅、建築中の住宅などを除いた空き家であり、その数は846万戸にものぼります。空き家率は過去最高の13.6%を記録しており、空き家問題は改善の兆しが見えない現状です。

空き家が増える原因とは

全国的に空き家は年々増え続けていますが、新しく建てられる住宅の数も増え続けています。要因として考えられるのは、新築住宅は中古住宅に比べ補助金や減税など優遇措置が多いことです。

(出典:総務省統計局 「住宅・土地統計調査」を元に作成)

総務省統計局の平成26年空家実態調査によると、住宅が空き家になった理由は、「住宅所有者の死亡」が35.2%、「別の住宅へ転居した」が27.9%、「老人ホーム等の施設に入居した」が14.0%となっています。新築の住宅が増えるかたわら、高齢化により居住者がいない既存の住宅が増えていることが原因としてあげられます。

(出典:総務省統計局 「平成26年空家実態調査」を元に作成)

空き家となった住宅を取得した理由には、「相続した」が52.3%と半数を超える結果となりました。実家から離れて暮らす子どもの多くは、親の住宅を相続しても管理が困難になりそのまま放置するといったケースが多い現状です。

空き家にしておく理由には、「物置として必要だから」が44.9%、「解体費用をかけたくないから」が39.9%、「特に困っていないから」が37.7%となっていることから、小規模宅地の特例により建物が建っていれば固定資産税が通常の6分の1にまで減税されることが、更地にせず放置される空き家が増加する原因のひとつといえるでしょう。放置される空き家が増えると、火災の発生、犯罪の誘発、ゴミの不法投棄や害獣の発生、景観の悪化など周囲に影響がおよぶ危険性が高まるため、早急な対策が必要です。

空き家問題における対策

平成27年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、適正な管理がされていない「特定空家」に指定された住宅に対しては、行政代執行にて強制的に対策(解体など)を行えるようになりました。それに伴い、固定資産税の減税も適用されません。

しかし、国土交通省の「空家等対策の推進に関する特別措置法の施行状況等(概要)」によると、平成30年10月1日時点で行政代執行(所有者不明含む)が行われたのは118件で、特定空家全体の0.8%とわずかでした。

国土交通省は各自治体や事業者と提携し、全国的に空き家を探せる空き家・空き地バンクの運用を開始しました。各自治体は空き家バンクの設置や支援制度を設けるなどの取り組みを行っています。
空き家バンクの活用や事業者へ空き家の管理を委託する方法など、空き家の所有者に対する空き家管理の重要性について周知や啓発も必要であるといえますが、既存の住宅(中古住宅)の有効活用に向けて国の政策や制度の根本的な見直しが必要です。

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