年末調整で申告し忘れた控除は、確定申告を行えばよい理由

年末調整の書類を提出した後、「生命保険料控除証明書が出てきた」など、書類に記載し忘れた控除があった方もいると思います。これらの控除は翌年の315日までであれば、確定申告を行うことにより控除を受けられます。

このように年末調整で申告し忘れた控除は、確定申告を行えばよいわけです。本記事では給与を主な収入とする方に対して、確定申告は簡単にできることを解説していきます。

そもそも、納税者は確定申告を行うことが原則

そもそも納税者は、確定申告を行うことが原則です。会社に勤めている人は年末調整を行うことで確定申告を行わずに済ませることは可能ですが、これはあくまでも例外といえるでしょう。その証拠に自営業の方にはこのような制度がなく、必ず確定申告をしなければなりません。

したがって年末調整の際に申告を忘れていた控除があった場合、改めて年末調整のやり直しを依頼し、源泉徴収票を発行し直してもらう義務はありません。代わりに確定申告を行えばよいわけですから会社に気兼ねをする必要がなく、ご自身の気も楽になります。

ところで皆さまのなかには、「確定申告をした結果、税金がマイナスになると税務署からよい顔をされないのでは」と気にする方もいるでしょう。しかし以下の図で見るとおり、確定申告で税金が戻ってくる「還付申告」が受けられる方は毎年1,200万人以上もいます。

<国税庁「平成29年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」>

上の図のとおり、確定申告における「最大勢力」は還付申告ですから、気にする必要はありません。還付申告は1月から可能ですから、2月中旬の受付開始日を待つ必要がない点もうれしいところです。

確定申告は思ったよりも簡単

ところでいざ還付申告をしようと思っても、「確定申告は難しいのではないか」と足踏みしてしまう方や申告会場の混雑が嫌という方も、なかにはいると思います。しかし給与所得者の方の多くは、時間をかけずに簡単な手続きで申告できる場合が多いです。

そのコツは、国税庁の「確定申告書作成コーナー」を利用することです。源泉徴収票などの必要書類をそろえれば、あとは画面の指示に従って入力を進めるだけです。いちいち紙に記入しなくてよい点では、むしろ年末調整より手続きしやすい方法でもあります。さらにパソコンでは途中まで入力しておき、不足する部分を後日追加するといった方法も可能です。

自宅やコンビニなどで印刷まで済ませれば、あとは提出だけで済みますから時間もかかりません。提出は、以下の方法で可能です。

・税務署や申告会場での提出
・税務署の「時間外収受箱」への投函
・税務署への郵送
・e-Tax

税務署や申告会場は平日日中のみの受付が原則ですが、大都市近郊では、2月~3月初旬の日曜日にオープンする申告会場もあります。平日に仕事がある方でも安心して提出できる点は、メリットとして見逃せません。またe-Taxで提出すれば税務署や申告会場に出向く必要すらなく、24時間いつでも提出可能です。

確定申告でしか控除できないものもある

所得から控除し納税額を減らせる項目のなかには年末調整で控除できず、確定申告が必要なものもあります。代表的な項目には、以下のものがあげられます。

項目 備考
医療費控除 原則は年間で10万円を超える部分。
ただし年間所得が200万円以下の場合やセルフメディケーション税制を利用する場合は、年間10万円未満でも還付を受けられる
寄付金控除 ふるさと納税は、ワンストップ特例制度の利用により確定申告不要にできる
雑損控除 災害や盗難などの被害に遭った場合の控除
生命保険料控除 年末調整で申告できなかった、生命保険や年金の保険料

年間所得額は、源泉徴収票の金額をご参照ください。実際に受け取った給与額よりもかなり少ない額が記載されていると思いますが、これは給与所得控除が適用されているためです。税の計算は年収ではなく、所得によって行われます。

また年間所得が200万円以下の場合は、世帯全体でかかった年間の医療費が所得の5%を超えると医療費控除が受けられます。たとえば所得が100万円の方は5万円以上で控除の対象となりますから、「医療費控除は10万円以上」と思い込まないことが重要です。

このように税金が取り戻せる制度には、さまざまなものがあります。せっかく制度があるわけですから、面倒がらずに税金を取り戻すことが家計を守るためには必要です。

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