就職決定!住まいに社宅や寮を選ぶメリット・デメリット

転職活動を行っている方のなかには、就職決定後の住まいとして社宅や寮を検討している方もいると思います。社宅や寮は安くて速やかに入居でき、手続きが楽なメリットがあります。一方で不況になったときなど、収入と住まいを両方失うおそれがある点は見逃せないリスクです。

本記事では就職後の住まいを検討中の方に、社宅や寮を選ぶメリットとデメリットを解説します。

社宅や寮は、金銭的な負担の少ない点が魅力

社宅や寮など、従業員向けに用意された住宅は「給与住宅」に分類されます。総務省統計局が2019年に公表した「平成 30 年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計結果の概要」によると、給与住宅の家賃は民間の賃貸住宅(木造)に比べて3分の2程度で済みます。このため、金銭的な負担が大幅に軽減されることが魅力です。

住宅の種類 月々の家賃の平均額
民間賃貸住宅(非木造) 64,061円
民間賃貸住宅(木造) 52,062円
給与住宅 34,049円

加えて社宅や寮に住む場合は会社に申し込めばよいため、急いで住まいを探す手間が省けます。土地勘のない地域に住む場合は、ありがたい制度といえるでしょう。

もっとも、これら給与住宅は減少傾向にあります。
1993年の調査では住宅全体の5.0%を占めていた給与住宅は、2013年は2.2%、2018年には2.1%と、半数以下の割合に低下しています。

社宅や寮に住むリスクも認識を

社宅や寮に住むことには、リスクもあります。代表的なリスクとして、解雇などで職を失うケースがあげられるでしょう。従業員自らに責任がない場合であっても収入と住まいの両方を失うという、極めて大きなダメージを負うことになります。

またより良い条件を求めて転職したい場合でも、「離職と同時に住まいを失う」課題が立ちはだかります。このため転職を思い立ったら、まず住まいをどうするか、引っ越し費用や転居先の家賃をねん出できるかなどの点を考えなければなりません。

もし新たな住まいが見つからないまま離職した場合は、路上生活を余儀なくされるおそれも否定できません。実際に路上生活者となった方のうち、直前に社宅や寮など給与住宅に住んでいた方の割合は17.3%におよびます。これは給与住宅の数が全体の2.1%しかないことを踏まえると、高い数値といえます。

  住宅全体に占める割合 路上生活前の住まいの割合
給与住宅(社宅、寮など) 2.1% 17.3%
公営住宅 3.6% 1.8%
民間賃貸住宅 28.5% 39.5%
持ち家 61.2% 9.0%

従って社宅や寮を選んだ方が離職する場合、以下の2つを同時に確保する必要があることはデメリットにあげられます。

・転職先など、安定した収入を得る手段
・新たな住居

社宅や寮に住む方への処方箋

社宅や寮は、うまく使うことでメリットを享受できます。特に転職直後の住まいとして使うには適しています。着任直後のあわただしい中、住まいを気にせずスムーズに入居できることは、安心して仕事に打ち込む助けとなるでしょう。隣人も同じ職場の方ですから、場合によっては仕事に役立つ情報を得られるかもしれません。

一方で失業に伴うリスクマネジメントという観点で見た場合、漫然と社宅や寮に長く住み続けることはおすすめしません。仕事に慣れ収入が安定した段階で民間の住宅に住み替えることで、万が一失業した場合でも住まいを失わずに済みます。失業給付を受け取りながら再就職を目指し、再起を図ることができるでしょう。

そうはいっても、社宅や寮は低コストであるがゆえに、出たくない方も多いのではないでしょうか。もし失業とともに住まいも失った場合は、自治体で一時的な住居を提供する場合があります。このような万が一の事態に直面した場合は、お住まいの自治体に相談してみることをおすすめします。

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