有利子でもJASSO(日本学生支援機構)の奨学金はお得な理由

大学や専門学校などの学費が上昇を続けるなか、奨学金や教育ローンのニーズは高まっています。最も知られているものは日本学生支援機構(以下、JASSOと略)の奨学金といえますが、一部では負担の重さがクローズアップされています。このため、読者のなかには奨学金の利用をためらう方もいるかもしれません。

しかし有利子で借りるJASSOの「第二種奨学金」といえども、他の金融機関から借りるよりははるかにお得です。ここではJASSOの奨学金がお得な理由と、利用する際のポイントを解説します。

JASSOの奨学金はほとんどの金融機関よりもお得

奨学金の返済負担が重いと言われているJASSOの奨学金ですが、実は以下の表で示す通り、ほとんどの金融機関よりも低い金利、かつ有利な条件で借りられることが特徴です。なかでも在学中は無利子という点は、特筆すべきメリットといえるでしょう。

運営元 ローン名 年利 在学中の優遇措置
日本学生支援機構 第二種奨学金
"年3.0%以内
2019年3月に貸与終了した方の年利は、最高で年0.34%"
在学中は無利子
返還は貸与終了後7ヶ月目から開始
日本政策金融公庫
国の教育ローン 年1.71% 在学期間中は利息のみの支払いも可能
三井住友銀行 教育ローン(無担保型) 年3.475%

特に無し

イオン銀行 教育ローン 年2.80%~3.80% 最大6年まで元金返済の据置(利息のみの支払い)が可能
住信SBIネット銀行 教育ローン 年1.775%~3.975% 借入後5年間は利息のみの支払いも可能

さてJASSOが提供する第二種奨学金の利息は、貸与終了時の市場金利に基づき年3.0%を上限として決められます。実際には以下のグラフの通り、ほとんどゼロに近い金利となっています。

さらにJASSOでは返済が苦しい方のために、返還猶予や減額返還が制度として定められています。返還期限猶予は通算10年、減額返還は通算15年まで利用できます。このため一時的に低収入となった場合だけでなく、中長期的なキャリアプランの立て直しを行ったとしても十分に対応できる年数です。

奨学金を返済できない問題が起こる理由

JASSOの奨学金は民間の教育ローンよりも使いやすい一方で、奨学金を返済できない方も後を絶ちません。この理由は本人にのみ原因があるわけではないことに留意が必要です。主な理由を2点あげ、解説していきます。

1つ目の理由は、進路未決定者の存在です。旺文社教育情報センターが公表したデータによると進路決定率は年々上昇しているとはいえ、2018年3月卒業者の場合でも10%の方が進路未定となっています。

これらの方の多くは、フリーターなどで生計を立てることになります。従って収入が少額かつ安定しない方も多く、卒業後7ヶ月目から始まる奨学金の返還もままなりません。このことは卒業後ほどなく返済の危機にさらされることにつながりかねません。

もう1つの理由は、借入額そのものが多額となりがちなことです。JASSOによると、第二種奨学金の貸与総額は平均で343万円にのぼります。奨学金の特徴として、月々の借入額は少額でも、4年間借りた場合の元本は以下に示す通り多額となることがあげられます。

奨学金の貸与総額の例(入学時特別増額を受けた場合)

月額の貸与額  入学時特別増額  借入総額(元本)
2万円 40万円 136万円
5万円 40万円 280万円
10万円 50万円 530万円
12万円 50万円 626万円

上記の通り月額5万円で済ませた場合でも、総額は車のローンを組んだ場合と同等程度であり、決して少ない借入総額ではありません。従って奨学金を利用する際は、在学中に100万円単位の借金をするという認識が求められます。

JASSOの奨学金を利用する上で注意したいポイント

JASSOの奨学金は、うまく使えばお金のない方でも大学などで学び、その成果を社会に還元する上で大変有効です。一方で返済が必須のお金でもありますから、奨学金を利用する際には以下の点に注意しましょう。

1つ目は、必要な金額だけを借りるという点です。現在では第二種奨学金でもほぼ無利子となっていますが、借りる額が少なくなれば元本が減ることに変わりありません。特に第二種奨学金の場合は必要に応じて借入額の増減ができる特徴があります。従ってアルバイトなどである程度の収入が見込めるようになったら、積極的に毎月の貸与額を減らすことがおすすめです。

もう1つは、入学時特別増額についての注意点です。この制度は入学した月の奨学金に加算されるため、入学金の納付時期には間に合いません。従って入学金や初回の授業料は、預貯金や民間の教育ローンなどで用意することになります。一例として日本政策金融公庫でも「国の教育ローン」を扱っていますので、必要に応じてご検討ください。

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