証券口座数は増えているが未稼働口座数も増えている?株式投資は始めること以上に継続することが大切

株式投資を気軽に始められる時代になったことで証券口座数が増え続ける一方、最近になって上昇しているのが未稼働口座の割合です。単に「口座数の増加」と「株式投資ブームの到来」を結び付ける向きもありますが、継続的に株式投資を行っている人は本当に増えているのかどうか。株式投資が身近なものになりつつある日本の現状を考察します。

インターネット取引口座数は直近5年間で1.5倍に増加

今ではネット経由で簡単に証券口座を開設でき、スマホで株の売買ができる便利なアプリも当たり前になって通勤時や仕事の合間の昼休みでも株取引ができるようになっています。


株式投資が一般社会に広く浸透する中で対面を伴わないインターネット取引口座の数は着実に伸び続け、2020年3末時点の口座数は約3千万と僅か5年間で1.5倍になりました。
2010年3末から口座数が1.5倍になるのに7年かかったことを考えると、株式投資に興味を持って証券口座を開設する人が以前より増えていることは間違いありません。

出所:日本証券業協会

最近ではネット証券の口座数の伸びが著しく、特に顧客を獲得して口座数を増やしているのがSBI証券と楽天証券です。SBI証券570万口座・楽天証券440万口座(いずれも20206末時点)を合わせると僅か2社だけで1千万を超えており、ネット証券による積極的な宣伝活動によって株式投資に興味を持つ人は今後も増え続けるものと考えられます。

しかし口座開設した全ての人が株式投資を続けるとは限らず、上記のグラフの「うち有残高口座数」(残高が1円以上ある口座数)が全体の口座数の伸び率ほどには増えていないことも事実です。株式投資で必要になる様々な知識を身に付けるにはどうしても時間がかかり、自分なりの投資スタイルを確立するまで継続できないケースも少なくありません。

残高が1円以上ある口座の割合は約6割、30歳未満では約4割と低水準

上記の棒グラフをもとに有残高口座・無残高口座の割合の推移をグラフにすると、特にここ数年の間に残高の無い口座の割合が上昇傾向にあることが見て取れます。

特に若い世代で有残高口座の割合が大きく低下し、30歳未満では5年前に比べて10ポイント以上も下がって僅か43%しかありません。残高が有る口座でも実質的に取引がない口座があるはずなので厳密な意味での未稼働口座は更に多いと考えられ、「証券口座は開設したものの株式投資を途中でやめてしまった人」が相当数いることが分かります。

  2015年3月末 2020年3月末  
  【①】 【②】 【②-①】
5年間での減少幅
  年代別口座数 年代別有残高口座数 有残高
口座率
年代別口座数 年代別有残高口座数  有残高
口座率
30歳未満 992,499 533,830 53.8 1,942,642 834,673 43.0 ▲10.8
30〜39歳 3,344,643 1,886,953 56.4 4,485,556 2,232,267 49.8 ▲6.7
40〜49歳 4,920,459 3,087,281 62.6 6,672,859 3,774,778 56.6 ▲6.0
50〜59歳 4,101,478 2,821,769 68.8 6,091,863 3,833,635 62.7 ▲6.0
60〜69歳 4,181,546 3,236,688 77.4 4,883,748 3,491,846 71.5 ▲5.9
70歳以上 3,256,668 2,656,687 81.6 5,397,923 4,063,952 75.3 ▲6.3
合計 20,797,293 14,214,208 68.3 29,474,591 18,220,151 61.8 ▲6.5

出所:日本証券業協会HP資料より作成(口座数はいずれもインターネット取引口座数)

ただ株式投資には本来多くの魅力やメリットがあり、うまく活用することで一生涯使える資産運用術になり得るのが株式投資です。それにも関わらず途中でやめる人が増えている理由としては、安定して利益を出せるようになるための正しいステップの踏み方や勉強法を知る機会が十分ではないことが考えられます。

例えば株式投資初心者が最初から高額な資金を投入して大損失を出すのが典型的なケースですが、株式投資には一体どんなリスクがあってリスクコントロールが如何に大切なのか、この点を理解しなければ株式投資で安定して利益を出すことはできません。

チャートの見方や異なる注文方法の特徴と違い、リスク管理や損切りの考え方、損益通算・損失繰越をはじめとした税務知識など、株式投資では様々な知識が求められます。

現在ではこれらの知識がなくても証券口座を開設できて簡単に株式投資を始められますが、単に始めるだけでなく継続するとなると知識と経験の積み上げがとうしても必要です。途中でやめずに継続して安定的に利益を出せるようになるためにも、長期的な視点に立って株式投資に取り組むようにして下さい。

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