お勤めの方なら、国の補助を受けてスキルアップができる

転職が当たり前の社会となった現在、お勤めの方は自身のスキルアップを会社任せにするのではなく、自らの判断で決めて能力開発することが求められています。 一方でスキルアップのための講座は多いものの、その金額は通信制で数万円から、通学では数十万円のものも珍しくありません。このためスキルアップの必要性を感じながらも、支出をためらう方も多いでしょう。 このような方に対して、国はスキルアップのための費用を一部補助する制度を4つ設けています。本記事では3種類の教育訓練給付と公共職業訓練をとりあげ、それぞれについて考えていきます。 自己負担額の軽減にとどまる場合が多い

国は働きながらスキルアップを支援するメニューを用意している

国は働きながらスキルアップを支援する制度を3つ設けています。それぞれの制度と特徴は、以下の通りです。

制度名 支給額 訓練期間 備考
一般教育訓練給付 2割(上限10万円) 最長1年  
特定一般教育訓練給付(2019年10月~) 4割(上限20万円) 原則1年以内 ITや公的職業資格に限られる
専門実践教育訓練給付 年間で5割
(上限40万円)
1年~3年が多い 1年以内に指定した資格を取得の上再就職した場合は、支給額が7割(上限56万円)にアップ

これらの制度は、現在働いている方も利用できる点が特徴です。従って忙しい方でも通信教育を受けたり、土日開講の講座を利用することでスキルアップが可能です。制度を活用するだけで数万円から数十万円の費用が節約できますから、手間を惜しまずに利用することでスキルアップだけでなく、家計を助けることにもつながります。

2019年4月現在、一般教育訓練給付は11,701講座、専門実践教育訓練給付は2,407講座が指定されています。以下のグラフで示す通り、ここ2~3年は微増もしくは横ばいの状態となっています。

ここまで解説した各制度は、離職者の方も活用できます。但し原則として離職してから1年以内であること、また生活費などの給付は含まれないことに注意が必要です。

従って離職者が教育訓練給付制度を利用する場合は、事前に預貯金など、受講期間中に生活ができるだけの資産を用意しておくことが求められます。このため、少なくとも数百万円の蓄えは必要となるでしょう。従って次の項目で解説する「公共職業訓練」で開講されているコースと比較した上で、あなたの持ち出し額が少ないコースを選ぶことも1つの方法です。

なお離職した方が1年以内に専門実践教育訓練を受ける場合、45歳未満であれば「教育訓練支援給付金」を受けられる可能性があります。訓練を受けている間は基本手当相当額の8割にあたる金額が受給できますから、積極的に活用するとよいでしょう。

公共職業訓練の制度もスキルアップに活用できるが、注意も必要

もしあなたが新たな職に就く覚悟を決めた上で離職しスキルアップを目指す場合は、公共職業訓練も活用できます。さきに説明した教育訓練給付との違いを、以下の表で示しました。

主な項目 公共訓練 教育訓練給付
受講料 無料のコースが多い
(教材や実習服などの費用は別途必要)
自己負担額の軽減にとどまる場合が多い
受講中の生活費 ハローワークから受講指示を受けることにより、基本手当や交通費などが支給される 45歳未満の方で専門実践教育訓練を受ける方は、教育訓練支援給付金を受けられる場合がある
在職中の受講 不可(失業の状態にあることが必須) 可能(但し教育訓練支援給付金を受ける場合は、失業の状態にあることが必須)

上の2つを比べると、離職者の方なら公共職業訓練を受講したほうが有利と考える方も多いのではないでしょうか。確かに受講料が無料のコースが多いことは大きな魅力です。一方で公共職業訓練を活用する際は、以下の点に注意が必要です。

・受講指示を受けられる期間が決まっている(受講開始日が原則として所定給付日数の3分の2を経過する日よりも前であることが必要)
・通学が必要であり、選考もあるため必ず受講できるとは限らない
・民間に委託されている職業訓練も多く、すべての職業訓練が良質とは限らない
・訓練期間が2ヶ月程度と短いものもあり、即戦力となる実力がつくか事前の調査が必要
・訓練期間中でも再就職を促される場合もあり、その場合は必要なスキルが身につかないまま実務にあたるリスクがある

このためスキルアップを目的とする場合、離職して公共職業訓練を受けることが一概に有利とはいえません。もし訓練の受講を希望する方はより良い就職を実現するためにも、受けたい講座の内容や学校の評判を事前にチェックすることが重要です。そのためには事前に学校の説明会などの機会を活用し、不明点を確認しておくことがおすすめです。

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