知っておきたい退職金に関する知識

退職金は老後のマネープランを設計する上で欠かせない存在です。

退職金には2種類の給付方法があり、全額が退職時に支払われる「退職一時金」と、国民年金・厚生年金に上乗せして給付される「退職年金」(企業年金)があります。これらはまとめて退職給付と呼ばれています。

退職給付の近年の状況や、退職一時金にかかる税金についても見ていきましょう。

退職金は年々減少傾向に

厚生労働省の「就労条件総合調査」によると、退職金のここ10年の推移は以下のグラフとなります。

退職一時金の金額は学歴や勤続年数、退職理由により異なってきますが、全体を通して400万~500万円程減少しています。グラフは定年退職の場合のモデル退職金となっています。モデル退職金とは、学校を卒業してすぐに入社した者が通常の能力と成績で勤務した場合に企業の規定の下で算出される退職金の金額です。
ただし東京都労働産業局「中小企業の賃金・退職金事情」によると、平成22年度の定年退職金が大卒・1271万円、高卒・1153万円だったのに対し、平成30年度には大卒・1203万円、高卒・1126万円と厚生労働省の調査より下がり幅はゆるやかになっています。
金額が年々減少している事に変わりはないのが現状です。

退職一時金の課税対象と計算方法

退職金には所得税や復興特別所得税、住民税が課税され徴収されますが、長年の勤務に対する報奨として他の所得より優遇され分離課税となっています。
課税対象となる退職金の計算方法は以下のように行います。
(退職金-退職所得控除額)×½=退職所得

この計算式のうち、まずは「退職所得控除額」の計算方法を見ていきましょう。

勤続年数 退職所得控除額
20年以下 勤続年数×40万円
(80万円に満たない場合は80万円)
20年以上 (勤続年数-20年)×70万円+800万円

(例)
<勤続年数:30年、退職金:1500万円の場合>
(30年-20年)×70万円+800万円=1500万円
控除額は1500万円となります。

続いて退職所得を計算しましょう。
(1500万-1500万)×½=0
控除額内で収まっているため、今回退職金に税金はかかりません。
また退職金は源泉徴収で課税関係が終了しますので、多くの場合確定申告をする必要はありません。

退職年金は減少傾向、退職一時金は増加傾向


厚生労働省の調査によると、退職給付制度がある企業自体は微増傾向にはあるものの退職年金制度がある企業は減少しており退職一時金のみの企業が増加傾向にあります。

厚生労働省では老後に向けて自らの努力での生活を可能にするための、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入範囲の拡大や普及のための広報活動を幅広く行い、税制の優遇措置を行っています。
今一度勤務先の企業の退職給付制度を確認してみましょう。

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