消費税2ケタ時代のその先について

消費税の逆進性

2019年10月1日から消費税率が引き上げられた場合、同時に「酒類・外食を除く飲食料品」と「週2回以上発行される新聞」を対象に消費税の「軽減税率制度」が実施される予定です。
消費税は、所得が高い人ほど消費に回す割合が低いため、所得に対する税の負担割合は低くなり、逆に、所得の少ない人ほど税の負担割合は高くなるという「逆進性」という性質を持っています。
この逆進性は、しばしば税負担の公平性の観点から問題視されることがあり、政府はこの逆進性緩和のために軽減税率の導入に踏み切ろうとしています。実際、中小企業庁が業者向けに作成したパンフレットには、「低所得者に配慮する観点から軽減税率制度が実施されます」と書かれています。 また今回の消費税改正においては、4年間の準備期間を経てインボイス方式を導入しようとしています。
インボイス方式とは、軽減税率導入により、品目ごとに税率が異なる取引内容について不正がしにくいようにする新しいしくみです。インボイスとは、税率や税額など定められた事項が記載された請求書等を指します。

しかしながら、食料品に対する軽減税率の設定は高所得者層にも便益が及ぶ結果になり、逆進性とその緩和策をいかに講じるかは非常に悩ましい問題です。

個別消費税を考える

現行の消費税は一般消費税と呼ばれますが、個別消費税、つまり、たばこ税やガソリン税などのように特定の物やサービスについてのみ課税される消費税については、日本では検討されていません。
これは1988年に消費税が採用された際、従来、個別消費税として「物品税」の名で課税していたものを一般消費税に吸収したためです。

一方、世界各国ではさまざまな個別消費税が導入されており、例えばアメリカのペンシルベニア州フィラデルフィア市においては、2017年1月より「ソーダ税」と呼ばれる個別消費税が施行されています。
この「ソーダ税」によって、約2カ月で炭酸飲料の消費は40%、エナジードリンクの消費は64%減少しました。増税を機に糖分を加えた飲料でなく、水を飲む傾向が明らかになったと報告されています。

日本でも、諸外国ほどではないにせよメタボリック症候群等の生活習慣病は増加しています。
わが国に「ソーダ税」などの個別消費税の導入を検討するとすれば、インボイス方式の採用によって税率の異なる品目による新たなる煩雑さが吸収される可能性はあります。
ジャンクフードやソーダなど比較的若い世代に消費の多い食品に重課する税金、このような健康を強く意識した税制は、超高齢社会においても迎え入れられる余地はありそうです。

前へ

これだけはぜひ知っておきたい、年金制度と仕組みを解説

生命保険の保険料を安くするために

次へ