外貨建て保険の金利が低下、加入している人は注意しよう

かつて、外貨建て終身保険は円建てより貯蓄性が高いことから人気がありました。 ところが最近では各保険会社とも運用難のため、利率を下げたり、売り止めに踏み切るなどの動きが目につきます。 この記事では、円建て終身保険と米ドル建て終身保険の比較をし、保険を活用しての貯蓄について考えます。

海外の長期金利の低下が外貨建て保険の条件に影響

新型コロナウィルスの影響で米国の景気が後退し、FRBは対策として利下げに踏み切りました。 このため、保険会社各社は保険料を米国債で運用する米ドル建て終身保険の利率を下げました。 保険の利率が下がると、保険料は上がり、返戻金のある保険の返戻率は下がります。

米国政策金利

年月 政策金利(年%)
2019/10 2.25
2019/11 2.25
2019/12 2.25
2020/01 2.25
2020/02 2.25
2020/03 0.25
2020/04 0.25
2020/05 0.25
2020/06 0.25
2020/07 0.25
2020/08 0.25
2020/09 0.25
2020/10 0.25
2020/11 0.25
2020/12 0.25

出典:日本銀行「金融経済統計月報(2020/12/20)海外主要経済指標(1)より作成

<h3>円建て終身保険とドル建て終身保険の比較</h3>
ある保険会社の円建て終身保険と米ドル建て終身保険を比較します。通貨が異なるため、完全に同じ条件にはならないことをご承知おきください。
【契約内容】
1ドル=103.67円で試算
被保険者:35歳男性
死亡保険金:円建て300万円
      米ドル建て30000米ドル(約311万円)
保険期間:終身
払込期間:60歳(25年)
払方:月払                                                                        
◆円建て終身保険(無配当 終身保険(低解約払戻金型))
<月額保険料> 8,384円

◆米ドル建て終身保険(積立利率変動型終身保険)
<月額保険料> 79.1米ドル(約8200万円)


各通貨建ての解約返戻率

  円建て 米ドル建て
55歳 70.2%
95.1%
60歳 102.3% 101.5%
65歳 105.3% 110.3%
70歳 108.2% 120.2%
75歳 110.9% 131.7%
80歳 113.4% 144.4%

まず、保険料については、現状の為替レートでは同程度です。よって、外貨建てのメリットはほとんどありません。
今後、円安に振れた場合、外貨建ての保険料は円換算すると高くなります。
次に、解約返戻率については、保険料払込み完了時はほぼ同水準です。期間の経過とともに米ドル建ての返戻率は上昇していきます。ただし、為替レート次第で受取額は変動します。
米ドル建ての80歳時の解約返戻率を年利率に換算すると約0.8%です。
外貨建て終身保険に加入している人の注意点 外貨建て終身保険には契約時に決まった利率が固定される固定利率型と、最低利率が保証されて利率が変動する変動利率型があります。
このうち、固定利率型ですでに加入している人は、今後も契約したとおりの返戻金が確定している(外貨ベース)ため、為替リスク以外は考慮する必要がありません。
しかし、変動利率型の契約がある人は今後利率が下がった場合の返戻金を確認しておきましょう。
いずれにしても、解約した場合は元本割れする可能性が高いため、注意してください。

外貨建て保険でお金は増やせない

現状、世界的に債券の金利が下がっており、債券で運用している終身保険の貯蓄性は薄れてきています。
長期に渡って低金利で資金を固定することは、より有利な金融商品での資産形成について機会損失することを意味します。
この機会にお金を増やそうと考えるなら、保険以外の金融商品に目を向けましょう。

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