平均車齢等のデータから見る、ベストな車の買い替えのタイミングと必要な心構えとは
2020年3月末日時点の自動車保有台数(ナンバーを付けている自動車の台数)は約6,180万台と、日本国民の2人に1人が一台保有している計算になります。
一方で最近はハイブリッド車や安全性能に優れた車など、品質の向上と比例して高額な車が増えているのも事実です。
今回は車の平均車齢や平均使用年数、平均年間走行距離のデータを読み取りつつ、独自の視点で「ベストな車の買い替えのタイミング」、そして必要な心構えをご紹介していきます。
車の平均車齢は年々上がっている
車における平均車齢とは、国内でナンバープレートを付けている自動車において「初度登録してからの経過年の平均」となります。人間でいう平均年齢に相当します。2020年度における平均車齢は「8.72年」と、右肩上がりなのが読み取れます。
平均使用年数も年々上昇傾向にある
これに対し平均使用年数とは、初度登録年度ごとに1年前の保有台数と比較した上で、減少した車両を1年間に抹消された車両とみなすことで、国内で新規登録されてから抹消登録するまでの平均年数を算出した数字となります。2020年度における平均使用年数は「13.51年」と、こちらも緩やかな上昇傾向にあります。
買い替えにベストなタイミングは8年9万キロ
そして、乗用車の年間平均走行距離が10,575kmというデータを踏まえて考えると、買い替えにベストなタイミングは「8年、9万キロ」という数字が浮かび上がってきます。
・車検のタイミングを考慮して
新車で購入した場合の乗用車の車検の有効期限は、初回の検査が3年間で、以降は車齢にかかわらず2年ごとになります。そのため、8年目というのは「3回目の車検を経て、4回目の車検の前」というタイミングです。
当然ながら長く乗れば乗るほど車にかかる整備費用は割高になり、それに伴って車検費用も高額になる可能性があります。その一つの分岐点が「8万キロ」という距離数になると考えられるでしょう。
・「買い替え」の場合は売却額も考慮を
既存の車の売却を考えるとなると、走行距離9万キロという数字が一つのタイミングとも言えます。これが10万キロを超えてしまうと、ディーラーにとっては、再度販売するに当たっての印象が良くありません。よく「10万キロを超えた車は値が付かない」と言われるのも耳にします。
・13年後は自動車税や重量税が増える
案外見落としがちなのが、「長く乗れば税金がかさむ」という点です。特に13年以上乗っている場合は、注意が必要です。
排気量 | 通常税額 | 13年以上経過後 |
1,000㏄以下 | 29,500円 | 34,000円 |
1,500㏄以下 | 34,500円 | 40,000円 |
2,000cc以下 | 39,500円 | 45,500円 |
2,500㏄以下 | 45,000円 | 52,000円 |
3,000㏄以下 | 51,000円 | 59,000円 |
3,500㏄以下 | 51,800円 | 67,000円 |
4,000cc以下 | 66,500円 | 76,500円 |
*排気量における自動車税の違い
車両重量 | 通常税額 | 13年以上経過後 |
軽自動車 | 6,600円 | 8,200円 |
0.5tまで | 8,200円 | 11,400円 |
1.0tまで | 16,400円 | 22,800円 |
1.5tまで | 24,600円 | 34,200円 |
2.0tまで | 32,800円 | 45,600円 |
2.5tまで | 41,000円 | 57,000円 |
3.0tまで | 49,200円 | 68,400円 |
*車両重量における重量税の違い
上記の例でいうと、例えば排気量4,000㏄以下で重さ3.0tの車の場合、12年目までは自動車税と重量税の合計が115,700円となりますが、13年目以降は144,900円と年間29,200円の増税となります。
まとめとして~家族のライフプランに合った車との生活を~
8年という長い期間で車を乗るとなると、燃費の比較も考えておくのも得策です。参考までに、先に紹介した年間平均走行距離を10,575kmとして、ガソリン1リットル当たりの燃費が10キロの場合と25キロの場合でどれだけ燃油台に差が出るか計算してみます。(ガソリン1リットル110円で計算)。
3年後 | 5年後 | 7年後 | 9年後 | |
燃費10キロ/ℓの車 | 348,975円 | 581,625円 | 814,275円 | 1,046,925円 |
燃費25キロ/ℓの車 | 139,590円 | 232,650円 | 325,710円 | 418,770円 |
同じ車種の場合、ハイブリッド車はどうしても割高になりますが、上記のようなシミュレーションの場合、購入して7年後には約50万円弱の燃料差が出てきます。この数字はもちろん、年間走行距離が多ければ多いほど、より顕著に現れます。
新車購入時から8年、9万キロという数字を考えると、購入時に小さなお子様がいる場合は小学生になっていますし、中学生のお子様がいる場合は、8年後には巣立って一人暮らしをしているかもしれません。
車は決して安い買い物ではありません。
これから車の購入を検討している方は、もう一歩先を見据えて「今回買う予定の車はいつ買い替えるか」というのも念頭に置いた上で、ご自身の乗り方やライフスタイルに合ったベストな車選びをしたいものです。