先行きが見えない時代に金投資はおすすめか?

「不安定な時代だからこそ、金に投資しよう」皆さまのなかには、このような考えをお持ちの方がいるかもしれません。しかしこのことをうのみにし、よく調べずに投資することは思わぬ損失を招きかねません。

金投資はメリットもありますが、先行きが見えない時代だからこそ注意したいポイントがあります。本記事ではこの点について、考えていきます。

金を資産として持つメリット

金は株式や債券などと異なり、現物に裏付けられた資産であることが大きな特徴の1つです。実際に19世紀から20世紀初頭にかけて、日本をはじめ各国では金を裏付けとした通貨の発行が行われていました。金は貴金属としての価値がありますから、資産価値がゼロとなる心配がないことはメリットの1つです。

また「有事の金」という言葉もある通り、世界や社会の不安定化が進むと金の資産価値は上昇しやすい特徴もあります。従って、金は守りの資産として人気があることも特徴です。

このため先行きが見えない時代に、金は投資を考える上で1つの選択肢となることは確かです。

金の価値は常に変動し続けている

金への投資にはメリットもありますが、一方で留意すべき点もあります。ここでは3つのポイントを取り上げ、1つずつ解説していきます。

1点目の留意点は、金そのものの価値が常に変動し続けていることです。一例として、三菱UFJ国際投信「三菱UFJ 純金ファンド」のチャートを確認してみましょう。

三菱UFJ 純金ファンド

2013年4月10日には13,694円だったものが、6月28日には10,483円まで下落しています。わずか3カ月足らずで23%、3,000円以上も下落したわけです。

上記で解説した通り、金の価値は決して安定しているわけではありません。従って「有事の金」という言葉をうのみにして、何も考えずに金を購入すると損失をこうむる結果となり得ることに注意が必要です。

悪質な業者は「金を持っていれば必ず値上がりする」と勧誘するかもしれません。しかし金の価値は常に上下することを理解し、このような甘いささやきに惑わされないことが重要です。

金はインカムゲインが期待できない

2点目の留意点として、金は利子がつかないことがあげられます。金は鉱物であるため、持っているだけで自動的に増えるわけではありません。そのため、インカムゲインは期待できません。

従って金はもっぱらキャピタルゲインのみで利益を狙わなければならない点は、デメリットの1つにあげられます。

金投資をするなら、コストも要確認

3点目の留意点として、金投資はランニングコストもかかる点があげられます。金投資には複数の方法があり、それぞれ必要なコストも変わります。以下の表で確認していきましょう。

投資方法 主なコスト
現物投資 ・購入価格よりも買取価格の方が低く設定されている
・持ち込む金の量によって、別途手数料がかかる場合がある
純金積立 ・購入の都度、積立手数料が必要

投資信託金ETF

・保有期間中は信託報酬が必要(信託報酬率は商品により異なる)
・購入時手数料が必要となる場合が多い
・売却時には信託財産留保額が必要な商品もある

それぞれの手数料額は、運営会社により異なります。手数料の高い業者を利用した場合、運用成績自体はプラスでも手数料を考慮するとマイナスという事態になることはあり得ます。従って、投資をする前にコストを確認することは必須です。

どの時代でも、情報を十分に検討した上で投資することが求められる

ここまで解説した通り、先行きが見えない時代だからといって「金に投資すれば必ず儲かる」というわけではありません。

そもそも金に投資すべきかどうかは、状況により異なります。また金の相場は思い通りに動かないこともリスクの1つです。従って経済情勢や世界がどのような状況であっても、情報を十分に検討した上で投資することが求められます。

なお積立投資をするとドル・コスト平均法により、平均の購入単価を下げる効果があります。もちろん確実に利益を得る方法ではありませんが、少しでも有利に投資ができる方法として、選択肢の1つに含めるとよいでしょう。

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