ローンや保険を契約する場合は、ボーナスをあてにしないほうが良い理由

ローンや保険を契約する際、月々の給与だけでは支払が厳しくても、ボーナス(賞与)を併用すればなんとかなる。このような場合は、ボーナス併用を前提に契約してしまいがちです。実際に、そのような提案をされるケースもあるでしょう。 しかし変化の激しい時代は新型コロナウイルスのように、予測不能な事態も起こり得ます。そのため、何がなんでも支払わなければならない用途に対して、ボーナスはあてにしないことが賢明です。 本記事ではその理由と、突然ボーナスがなくなったら月々の負担がどの程度増えてしまうのかについて解説します。

ボーナスは制度上、必ず支払われるとは限らない

給与とボーナスは、どちらも会社から受け取る賃金という共通点があります。一方でボーナスには、必ず支払われるとは限らないという特徴があります。これは、給与が月1回以上必ず支払われることと大きく異なります。 ボーナスは、以下の特徴を持つ賃金です。
・支払時期は、通常年2回(夏と冬)。多くても3回まで
・個人や組織の業績により、金額が変わる場合も多い
・自分が頑張っても、組織や企業の業績により減ってしまう場合がある
・就業規則に「賞与を支給することがある」などと書かれている企業では、状況により不支給となる可能性がある

就業規則や労働契約で決まった額の支払いが確約されている場合を除き、ボーナスはいくらもらえるか事前に決まっている賃金ではありません。業績や社会情勢などにより大きく変わり得ることを認識しておきましょう。 とりわけ就業規則で支払いが確約されていない企業では、注意が必要です。業績の大幅な悪化などの事態が起きると、「今回は支払わない」と通知されるかもしれません。

今まで多額のボーナスが支払われていた企業でも、油断はできません。厚生労働省が2020年11月に公表した「令和2年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」によると、ボーナスを不支給とした企業は多数にのぼります。以下の表で確認していきましょう。

業種 2020年夏 2019年夏
全業種 11.5% 7.4%
宿泊業、飲食サービス業 40.6% 21.6%
生活関連サービス業、娯楽業 29.7% 12.7%
金融業、保険業 22.7% 3.0%

そうはいっても会社の方からは、「就業規則ではそう書いているけれど、今まで必ず支払われてきたので大丈夫」と言われるかもしれません。その場合はなぜ就業規則に「賞与は必ず決まった額を支給する」と書かないのか、会社の立場に立って理由を考えてみるとよいでしょう。

もしボーナスがなくなったら、月々の負担は8割以上増える場合も

ここからはボーナスがなくなったら、月々の負担がどのくらい増えるかみていきましょう。以下のケースを取り上げ、どれくらい増えるか確認します。

・購入金額は200万円(うちボーナスによる返済分が90万円)
・返済期間は5年間で、ボーナス月併用返済を利用(6月、12月)
・借入金利は年3.5%
・返済額は毎月20,010円。ボーナス月は118,897円

もし賞与がなくなると、ボーナス月に加算される98,887円は月々の給料から工面しなればなりません。この結果、毎月の負担は16,481円増加し、36,491円となります。月々の負担が8割以上増えますから、大きな負担となることは間違いありません。

毎月の給料が30万円の方の場合、給与に占める割合は以下のとおり大きく増大します。

ボーナス併用払い 月々の支払額 給与に占める割合 備考
あり 20,010円 6.7% ボーナス月の支払額は118,897円
なし 36,491円 12.2%  

重要な支払いをボーナスに頼ることには、リスクがあることを認識しておきましょう。これからローンや保険の契約を検討する方は、賞与がなくなるケースも想定した返済計画を立てることをおすすめします。可能ならばボーナス払いで返済する1回分のお金を用意しておくと、万が一への備えができます。

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