新型コロナによる失業や収入減で、国民健康保険料の負担が重い!申請により、どの程度減免されるか確認しよう

新型コロナウイルスにより、突然の失業や収入減に見舞われた方は少なくありません。完全失業率は2020年2月では2.4%だったものが5月では2.9%と、年2%にのぼる割合で急上昇しています。離職後は国民健康保険に入ることが基本であるものの、年間保険料額は10万円を超えるケースも多く、大きな負担に感じることでしょう。

国民健康保険料の減免制度には、以前から「解雇や雇止めなどの非自発的失業で、失業給付を受給している方」に対する制度が用意されていました。今回これに加えて、新型コロナウイルスによる減免制度が用意されたわけです。

本記事では両制度について、どのくらい保険料が下がるか確認していきます。

解雇や雇止めなどを受けた方への減免制度

国民健康保険では、以前から解雇や雇止めを受けた方について、保険料を減免する制度が設けられています。該当する方は前年度の給与所得が実際の3割として計算されますから、所得割の部分が大幅に減額され、保険料の総額も減ります。適用される期間は、離職日の翌日が属する月から、その月の属する年度の翌年度末までです。

この制度を受けるためには、3つの条件をすべて満たす必要があります。
(1)離職時の年齢が65歳未満であること
(2)ハローワークで失業給付の申込みを行い、後日行われる説明会に出席し「雇用保険受給資格者証」を受け取る(「雇用保険被保険者証」では手続き不可)
(3)離職理由コードが11, 12, 21, 22, 23, 31, 32, 33, 34のいずれかであること

■特定受給資格者

離職理由コード 離職理由
11 解雇
12 天災等の理由により事業の継続が不可能になったことによる解雇
21 雇止め(雇用期間3年以上雇止め通知あり)
22 雇止め(雇用期間3年未満更新明示あり)
31 事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職
32 事業所移転等に伴う正当な理由のある自己都合退職


■特定理由離職者

離職理由コード 離職理由
23 期間満了(雇用期間3年未満更新明示なし)
33 正当な理由のある自己都合退職
34 正当な理由のある自己都合退職(被保険者期間12ヵ月未満)

新型コロナによる大幅な給料減に伴う減免や免除

さきに解説した減免制度の場合、対象となる方は特定受給資格者や特定理由離職者に限られますから、「離職していないけれど、今月はシフトが1つもないので収入ゼロ」といった方を救うことができません。このような新型コロナウイルスの影響を大きく受けた方に対して、保険料の減免制度が用意されています。

減免割合は所得によって異なり、以下の通りとなります。減免される期間は、2021年3月分まで(2020年7月現在)となります。

所得金額(給与所得以外との合計額) 減免割合
300万円以下。または失業や廃業 100%
400万円以下 80%
550万円以下 60%
750万円以下 40%
1,000万円以下 20%

給与所得の減少により適用を受けるためには、以下の4つの条件を満たす必要があります。

・世帯主(国民健康保険加入の有無は問わない)、または国民健康保険被保険者かつ主たる生計維持者である
・2020年2月分以降のいずれかの月の収入を12倍した金額が、2019年の年間収入と比べて30%以上減少した
・2019年の年間所得金額が1,000万円以下
・給与以外の所得額が年間400万円以下

なお自治体によっては、以下のように明記している場合もあります。

・「解雇や雇止めされた方への減免制度」を優先
・自己都合退職は対象外

申請をお考えの場合は、事前にお住まいの自治体へ確認されるとよいでしょう。

離職しないなら新型コロナによる減免。再就職に時間がかかりそうなら、解雇や雇止めによる減免のほうが安心

状況によっては、どちらかの制度を選べる場合があります。たとえば以下のようなケースで、退職しようか迷うケースがあげられます。

・新型コロナウイルスを理由に、毎月の収入が以前の6割になった
・離職した場合は、特定受給資格者の要件を満たす

ここでは千葉市を例に、年間収入が300万円~600万円のケースで考えてみましょう。なお、以下の条件を仮定します。

・3人世帯(夫妻と子1人)
・夫婦は40代
・収入は給与のみ。ボーナスは夏・冬それぞれ2ヶ月ずつ
・世帯主(他の家族は、住民税非課税ラインの収入)
・2020年4月から、月給がこれまでの6割に減少。ボーナスもなし

まず、2020年度の国民健康保険料について考えてみましょう。

年間収入所得(2019年) 300万円 400万円 500万円 600万円
年間給与所得(2019年) 192万円 266万円 346万円 426万円
所定の国民健康保険料額 291,170円 402,710円 493,190円 583,670円
所定の国民健康保険料額 97,420円 122,520円 149,650円 218,570円
新型コロナによる減免を適用 0円 0円 98,638円
(失業の場合は0円)
233,468円
(失業の場合は0円)

どちらの制度も多額の減免を受けられますが、特に失業の場合は、保険料が全額減免されることが特徴です。

一方で、新型コロナウイルスによる減免は2021年3月まで(2020年7月現在)です。もし2021年4月以降も失業・収入減が続いた場合は、どうなるのでしょうか。ここでは上記のケースについて、2020年6月末で会社都合により離職した場合に、2021年4月以降の保険料がどうなるか考えてみます。

年間収入所得(2019年) 300万円 336万円 400万円 600万円
年間給与収入(2020年) 90万円 108万円 120万円 180万円
年間給与所得(2020年) 25万円 35.8万円 55万円 108万円
所定の国民健康保険料額
(2020年度に新型コロナ減免の対象になったケースを含む)
41,740円 72,760円  94,470円 154,410円
解雇や雇止めの減免を適用 41,740円
41,740円 41,740円 41,740円 

上記のように、2019年の収入額が336万円(月収21万円)以上であった方なら、従来からある解雇や雇止めの減免制度を活用することで、2021年度も引き続き保険料が安くなります。

以上を総合して考えると、どちらの制度を選んだほうがよいかはケースバイケースといえます。

解雇や雇止めの減免 ・会社都合の離職に該当する方
・再就職まで時間がかかりそうな方
・2021年に入ってから離職する方
新型コロナウイルスによる減免 ・新型コロナウイルスの影響で失業しても、すぐ再就職できそうな方
・今後、給与の回復が見込める方
・収入が減っても、離職したくない方

なお国民健康保険料の金額は、自治体により大きく異なります。具体的な保険料の金額については、お住まいの自治体へご確認ください。

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