いくら貯金があれば、医療保険を用意しなくてよい?

「貯蓄は三角、保険は四角」という言葉がある通り、保険は重要です。これは入院などに備えた、医療保険でも同様。一方で十分な貯蓄があればあえて保険をかける必要がないと思われる方も、いるのではないでしょうか。 それではどのくらいの貯蓄があれば、保険をかけなくてもよいのでしょうか。ここでは30~40代の方をターゲットにして、分岐点の目安となる貯蓄額を考えていきます。

入院に必要な費用をおさらい

入院に必要な費用にはさまざまな項目があります。その中でも代表的かつ金額の大きい項目には、以下の4つが挙げられます。 ・医療費 ・入院中の食事代 ・差額ベッド代 ・家族が生活するための費用 医療費は、病を治してもらうために不可欠の費用です。但し健康保険により自己負担が1割~3割で済む上に、高額となった場合は高額療養費制度により、限度額を超えた金額が支給されます。 入院中には、決まった時間に3食の食事が提供されます。治療の一環でもありますが、費用は自己負担であることに注意が必要です。但し住民税非課税世帯や指定難病患者の場合は、自己負担額が減額されます。 病床によっては、病室の室料(差額ベッド)が必要となる場合もあります。個室がよいなど、ご自身で入室を希望する場合もあるでしょう。健康保険の対象外となるため、いくら高額でも全額自己負担となります。 見落としがちな点として、家族の生活費も挙げられます。たとえ家族の大黒柱が入院し収入がなくなったとしても、衣食住に関する支出がなくなるわけではありません。入院した場合でも普段通りの生活ができる費用を、見込んでおく必要があります。

保険の代わりとなる貯蓄額はいくら?

さきに解説した通り、入院するとさまざまな項目で、多額の費用がかかります。もし保険を使わず貯蓄でまかなおうとした場合は、どれだけの金額が必要なのでしょうか。ここでは平均的な収入のある40歳の会社員(2人以上の世帯、負担割合3割)が、高額療養費の対象となる入院をした場合を例に考えてみましょう。 厚生労働省「平成29年患者調査」によると、入院患者の平均在院日数は29.3日となっています。また病院から3ヵ月以内で退院した方は、全体の96.3%にのぼります。このため、90日程度の入院に対応できる資金があればよいといえるでしょう。

医療保険なしの場合、準備しておきたい金額はおよそ270万円となります。項目別の金額は、以下の通りです。

項目 金額 備考
医療費 246,684円 一般労働者男性の平均賃金(338,800円)をもとにした、高額療養費適用後の自己負担上限額。90日間入院した場合を想定
入院中の食事代 122,820円 入院日は昼食から、退院日は朝食までと過程
差額ベット代 1,485,000円 1日当たり16,500円(税込)と仮定
家族の生活費 880,137円 家計調査(二人以上の世帯)から計算
合計 2,734,641円  

上記の通り、差額ベッド代が半分以上を占めています。この部分をゼロにできれば、およそ125万円に抑えられます。その場合は入院にかかる費用よりも、家族の生活費に対する備えが課題です。

年齢の上昇に伴う病気のリスクに対応するには、安価な医療保険の契約も1つの選択肢

ここまで解説した通り、保険なしで入院のリスクに対応するためには、ある程度まとまった貯蓄が必要ということがおわかりいただけたと思います。実際には傷病手当金の支給も考えられますが、すぐに受け取れるわけではありません。加えて年齢が上昇すると病気のリスクが増し、医療保険の選択肢も狭まる可能性も高くなります。

貯金はいざという時に使えるメリットがある一方で、使うと減る点が最大のデメリットです。多額の貯蓄がある方でもない限り、何度も入院すると減少する残高に不安を感じることでしょう。

このため共済や安価な医療保険を活用し、月数千円の負担で安心を買うことも、資産を守る1つの選択肢です。毎日1万円の給付を受けられれば、家計の負担はかなり軽くなることが期待できます。

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