「日本学生支援機構の奨学金で延滞しないために」親と子が知っておくべきこと

奨学金の延滞問題

学生の2.7人に1人は日本学生支援機構の奨学金を利用していると言われています。

ただし、同機構の奨学金のほとんどが貸与型であり、返還の義務があるものです。奨学金の返還が難しくなり滞納者が増えていることが、たびたび社会問題として取り上げられています。

借り入れた資金であれば、計画的に返していく責任が借りた側にはあります。奨学金であっても、返還を延滞すれば個人信用情報機関に延滞情報が登録され、クレジットカードや自動車、住宅のローンの利用に制約が生じることがあります。延滞が長期化すれば、法的手続きが取られることもあります。

返還義務があることの理解不足

しかしながら、多くの人が返還の義務があることすら知らずに借りているという実態があります。以下のグラフを見ると、返還義務について理解不足が延滞の原因の一つだということが分かります。

延滞者と無延滞者が返還義務を知った時期

「平成29年度奨学金の返還者に関する属性調査結果」より作成

延滞をすることになってしまった奨学生の約半数は、奨学金の申込む前に返還義務があることを把握していませんでした。延滞の督促が来てから返還義務があることを知ったという奨学生が1割もいるのは驚きです。一方、無延滞の奨学生は申込む以前に約9割が返還義務のあることを理解していました。

制度全体を理解して申込む

日本学生支援機構の奨学金について、知っておきたいのは返還義務だけではありません。

例えば、返還の方法もいくつかあります。毎年の所得に応じて返還額が決定されるものもあれば、毎月定額を返還していく方式もあります。

また、返還が難しくなった場合には、返還の減額や猶予の制度も設けられています。万一、返還が滞るような事態になったとしても、制度をよく理解して正しく届け出ていれば延滞とならずにすむ可能性もあります。

親子で話し合った上で決定を

教育資金が限られる環境では、奨学金は有用な手段の一つです。特に、日本学生支援機構の奨学金は国庫補助金や国からの運営費交付金で補助されています。低い利息(または無利息)ですし、様々な猶予制度などがあることを考慮すれば、民間金融機関の教育ローンより有利な条件で借りられます。

ただし、貸与型奨学金を利用するということは、100万円単位の負債を抱えることを意味します。申込む前に、親子でよく話し合い、制度への理解を十分に深めた上で、どのように返還していくのか、誰が返還していくのかを決めておく必要があります。そうすれば、計画的に返還できるでしょうし、返還が難しいときの対処も容易になるはずです。

前へ

お勤めの方なら、国の補助を受けてスキルアップができる

投資信託の積立投資の現状

次へ