生命保険の保険料を安くするために

生命保険大国と言われている日本。実際に世界各国と比較しても、生命保険市場規模はアメリカに次いで第2位となっています。(OECD調べによる世界の生命保険市場規模 国別ランキング2017年)

国名 市場規模(単位:100万$)
アメリカ 859,085
日本 285,379
イギリス 241,170
フランス 157,925

アメリカは国民健康保険制度がなく、民間の保険制度に頼っているため市場規模は飛び抜けて大きいです。一方日本では国民健康保険の制度が完備されていることを考えると、日本が保険大国と言われる理由もわかります。

現在、日本の世帯平均年間保険料は年額38.5万円(月平均3~4万円)です。(生命保険文化センター 生活保障に関する調査2018年)国民健康保険料が年額62.76万円(東京都世田谷区在住、基準額500万円の場合)とすると保険に払っているのは年額101.26万円、月に8~9万円ほど払っているのです。

国民健康保険に加えて民間の生命保険に多額のお金を払っていると他の金融商品にお金をかける余裕がなくなってきます。実際に生活をも圧迫しているという方もいるかもしれません。

そこで、今回は保険料を安くするための方法やポイントをご紹介します。生命保険に適切な金額をかける事は重要ですが、お金をかけすぎている場合は節約しながら生活や貯蓄・投資など他の資産形成に使っていきましょう。

保障額を見直してみる

まずは、自分に万が一の事が起こった際に適切な保障額となっているかどうか見直してみましょう。加入するときに勧められるまま加入して保障額がわからない方も少なくありません。保険金の総額の他に保険金を月額に直した場合、月何万円で何年間使えるかを計算すると現在の保障額をイメージしやすいです。

例えば、40歳夫婦世帯で夫が亡くなった場合を考えてみましょう。65歳まで(妻の老齢年金が支給されるまで)の25年間分の資金を保険で賄うとします。すると以下のような表になります。

夫の保険金(総支給額) 月々に割った時の金額(総支給額÷25年÷12ヶ月)
1,000万円 3.33万円
2,000万円 6.66万円
5,000万円 16.5万円
1億円 33.33万円

保険金で賄うべき期間と実際に毎月かかる支出をイメージしながら必要な保障額を考えましょう。ただ、国民健康保険から支給される遺族年金と、妻が働くことで得られるお金も月々の費用を賄うために使えるのです。遺族年金と妻の給与を計算に入れないと過剰な金額となります。

例えば、40歳夫婦世帯の場合、遺族年金は夫の月額報酬によって以下のような金額になります。

平均標準報酬月額 遺族年金支給額
25万円 約8.2万円
35万円 約9.5万円
45万円 約10.8万円

夫の給与の平均(入社後から今までの平均)が45万円の場合、10.8万円支給となります。妻が働いて月20万円ほど給与があるとすると30.8万円は月々受け取れるので、30.8万円を超える分を生命保険で賄うというのが基本的な考え方なのです。ただし、子供の学費などまとまったお金も必要となるので、そのお金は逆に支出として考えましょう。

月々かかる費用×期間で必要保障額を考えると、夫の年齢が進むに従って必要保障額が減っていくことに気づくと思います。加入後からずっと同じ保険金額である必要はありません。必要保障額は逆三角形の形で減っていくことになります。
保険の見直しを定期的に行うか、最初から逆三角形の保険(収入保障保険など)に加入するかなどで、適切な保険金と保険料にしていきましょう。

生命保険を解約せずに保険料を安くする

生命保険の必要保障額がわかった上で無駄な保険を減らす際にどのような方法があるかをご紹介します。保険料を減らすとすれば解約が真っ先に思い浮かぶかと思いますが、実はそれ以外にも保険料を減らす方法があるのです。

生命保険の契約変更種類 保険の状態変更
解約 保険自体を解約して加入していない状態にする。
減額 保険金を減額することで保険金に見合った保険料へ減額する。
払済 保険料の支払いを終了して、それまでの解約返戻金に見合った保険へと変更する。(解約返戻金が貯まる積立型保険のみ可能)
契約者貸付 今まで貯まっている解約返戻金の範囲内で貸付を受ける事ができる。(解約返戻金が貯まる積立型保険のみ可能)

解約以外の変更の有効な点は保険に加入した状態で減額する事が出来る点です。特に積立型保険は自由度が高く何年間かだけ支払う保険料を減らしたいという希望にも十分に応える事ができる制度が揃っています。保険は一度解約してしまうと次に加入する時、また審査があります。保険を解約した後に新たに加入したくても病気になると加入できないか保険料が高くなってしまいます。解約以外の方法を利用すると保険はそのまま取っておくことが出来るので万が一のことが起こっても安心です。

積立型保険の場合、解約返戻金が貯まっており一定の期間を超えると支払った保険料よりも多く返ってくることもあります。なので、積立型保険を貯蓄代わりにしている方も多いと思います、しかし、積立型保険は早く解約してしまうと解約返戻金が貯まっておらず支払った保険料よりも少ない額しか返ってこない事がほとんどです。つまり、貯蓄の目的で加入したはずが資産形成に役立たないのです。

そのような場合でも払済や減額は役に立ちます。解約返戻金は貯まっているままで、少しずつ利息がついて金額が増えていきます。場合によっては支払った保険料よりもプラスになることもあるのです。保険料の支払いは安くしたいけど、今まで払った保険料を無駄にはしたくないという方も解約以外で安くする方法を検討してみてください。

適切な保険で家族を守り続ける

生命保険が他の金融商品と大きく違うのは誰でも同じ条件で加入できないことです。せっかく良い条件で加入した保険であれば家族を守るために大切に取っておきましょう。ただし、過剰な金額をかける必要はありません。適切な保障額になるように定期的に見直ししてください。

貯蓄がわりに資産形成の一種として加入している方も多いのが積立型保険です。保険料を安くしたからと慌てて解約すると今までの保険料が無駄になってしまい資産形成になりません。払済や減額などの方法を理解すると、資産としての保険も無駄にならないように保険料を安くすることが出来るのです。

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